2018年05月04日

「樹齢1000年のオリーブの木」と「隠れキリシタン」の小豆島

ゴールデンウィーク前半の4月28日(土)から30日(月)まで知子とユキと3人で小豆島に滞在した。小豆島へは昨年6月以来、知子は4回目、ユキは2回目で、私は娘たちが幼かった頃に行った30数年ぶりの2回目だ。

せっかくの旅行なのに私は24日朝のギックリ腰が癒えぬまま、痛みと体力のなさで、まるで介助される老人のように自動車から降りる時に時間がかかり、すぐには痛くて歩くこともできず老いの身が思いやられた。

昨年、小豆島の役所主催の島内巡りに参加した知子は土地の人のように詳しく、観光地だけではなくドライブしながら病院や町役場などの公共施設やスーパーマーケットに至るまでガイドしてくれた。時系列ではなく印象的な景色を思いつくまま記録したい。

4月30日(月)2泊して帰る日:
肌寒く霧雨が降る曇天。2日目もレンタカーを借りて出発。
「オリーブの森」は観光バスも立ち寄らない知る人ぞ知る穴場で、鶯や小鳥のさえずりが心を癒した。

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樹齢千年のオリーブ大樹
2011年の「オリーブの日(3月15日)」の記念日に合わせて、
スペイン・アンダルシアから1万キロの海を越えて
「オリーブの森」に移植された。

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今年も青々とした新芽に無数の蕾をいっぱいつけていた。

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初夏になると小さな白い花が咲き、香りを漂わせ、
秋になると青い実をつける。
美しいだろうなぁ。花も実も見たいなぁ。

生きる力に溢れ、平和と希望の象徴オリーブは
「生命の樹」と呼ばれている。

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4月29日(日):ここは「オリーブ園」
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オリーブは聖書に出てくる代表的な植物だ。オリーブの歴史は古く、紀元前3000年には地中海沿岸で栽培が始まっていたという。日本では1910年頃、この香川県・小豆島で初めて栽培に成功した。

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エマオ途上.jpgオリーブ園に入った瞬間、Robert Zündの" The Way to Emmaus "「エマオ途上」の絵の中に入ったような気持になった。

イエス・キリストが復活された午後、エルサレムから11キロにあるエマオ村に向かう道を、失望落胆して帰って行くクレオパともう一人の弟子に現れたイエス・キリスト。2人はイエスだと気がつかなかったあの絵だが、よく見るとオリーブの木ではなかった。

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オリーブの葉の色はシルバーグリーンという。

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何時間でもゆっくりしていたいオリーブの園だった。

オリーブ搾り機.jpgちなみに「ゲッセマネ」はオリーブを搾る場所であり、「ゲッセマネの祈り」を「オリーブ園の祈り」とも言う。
これは、オリーブ園にあったオリーブを搾る機械だ。


祈りの家.jpgこのオリーブ園を登った所に「小さな祈りの家・オラトリオ」がある。ここを訪ねる人もごく僅かだ。
豊臣秀吉のバテレン追放令により、1587年にキリシタン大名・小西行長が所領だった小豆島に高山右近やオルガンティノ神父をこの島にかくまった。その後、1ヶ月に1500名も洗礼を受けたという。

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知子が元旦に訪ねた時は閉じられていた。この日は幸運にも開門されていたので礼拝堂を見学して署名を残してきた。

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ランプはムラノ(ベニス)のガラス工房の作品で、
ランプに注がれる油はもちろんオリーブ油。
聖地エルサレムの香り高いオリーブ油と、
小豆島で採れたオリーブ油を混ぜて使っている。

キリストはギリシャ語で「油を注がれた者」の意。

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知子の説明で小豆島に隠れキリシタンがいたことに驚き、キリシタン研究者・神田宏大(ひろお)牧師の話を思い出した。2009年に太宰治の一文を掲載していただいた『河内のおもちゃ箱』に神田牧師が「戦国時代の河内キリシタン」を執筆されている。

河内から堺までの6000〜7000人のキリシタン集団が築かれて、河内にリバイバルが起こったこと。しかも九州よりも河内地域の方がヨーロッパと直結して、正統な信仰を継承していたこと。また、1600年当時の日本の人口が1500万人だった時にキリシタン人口が75万人が通説になっているといったことなど、過去ログ「野崎観音はキリシタンの寺だった!」にも記録している。

折しも今朝未明、ユネスコが「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が高い確率で世界遺産に正式決定されると報じた。「隠れキリシタン」ではなく「潜伏キリシタン」という馴染のない言葉は、ユネスコの諮問機関・イコモスが世界遺産としての価値を端的に表す名称に変更するよう指摘したものであるという。

それに先立つタイトルについて、禁教下で守り通した信仰に焦点を当てよとのアドバイスは、自然も人間も動物までも何でも神として拝む日本人の精神構造からは出ないだろうと感じ入った。
posted by 優子 at 09:23| 知子(ユキの成長) | 更新情報をチェックする