2011年03月18日

紙業界の地震被災状況@ ―日本製紙と三菱製紙が大打撃―

東日本大震災から1週間経った。広範囲の壊滅的被害に加えて原発の脅威は今も増すばかりである。

昨夜夫から紙業界の被災状況を改めて聞いたところ、紙業界も大きな被害を受けていた。
東北には美濃紙業のような紙卸商が25社あったが4社とは連絡がとれないままだ。

製紙メーカーでは日本製紙と三菱製紙が大打撃を受けた。
特に三菱製紙は主力の八戸工場が壊滅的な状況である。マシンは大丈夫だが浸水したために停止中、操業再開は未定だ。

製品が入ってこないので代理店は出荷を止めた。
このことにより卸商も実績のある主力先にしか商品を出さないために、三菱の紙を主力で売っているところは困っている。

日本製紙では主力工場がある石巻、岩沼、勿来(なこそ)は操業停止。
北海道、岩国、八代にも工場があるが、東北の3工場は主に関東地区向けに製造しており、倉庫がある有明や浦安は液状化現象のために出荷止めとなっている。

これらの状況から紙不足になっている東京に関西から売っているという状態である。

北越製紙は地震が起こった11日早々にマシンを止めたとの連絡が入った。勝田工場の天井が落ちる被害を受けたが、それ以外は操業再開しているとのこと。

しかし、燃料不足や支援物資の輸送が優先されるために、王子製紙と北越製紙からも製品が滞っており入荷がいつになるか未定である。

毎週木・金・土曜日に多く出る新聞折り込みチラシも今週は打たないとのこと。関西でもチラシは減っているが、関東ではチラシ云々の日常ではなくなっている。

夫が23日に上京する予定だった全国日紙商役員会も中止になった。
今後は紙需要も減り紙業界はますます厳しくなるだろう。これが長引けば印刷業界の倒産も増え、卸商への連鎖倒産の危機も増す。

出荷停止による品薄状態は日を追うごとに厳しくなっていくだろうが、卸商としても今まで実績のあるところに安定供給を心がけるしかない。冷静に対応することだ。

私は夫から業界の状況を聞いて、今までの価格下落に終止符が打たれ適正価格になっていくのではないかと思ったが、こんな時も一部の会社が買い占めに走っている愚行も耳にした。

今は一人ひとりが自分の仕事への使命感に目覚める時ではないか!

私達が日々の仕事を誠実に果たすことは各自の生活のためだけではなく、人々のためにも役立っていることを再認識させられる日々にあって、買い占めとは何とも情けない。この未曾有の国難の時に!売る側の倫理観も問いたいものだ。

今こそ一人ひとりが姿勢を正して新しい一歩を踏み出したいものである。


日本経済は大打撃を受け、これから深刻な影響が出てくるだろう。今回も今までのように復興するのだろうか。最悪のシナリオに神の助けは届くのかと悲観的になってしまいそうだ。

同時代に生かされている私達は連帯感を強くして、互いに励まし合って奮闘せねばならない。
この最悪をいかに生かしていくかである。勿論、各自の生き方にだ!
ルターの言葉が何度も脳裡に鳴り響く日々でもある。

「たとえ明日世界が終わりになろうとも、私は今日リンゴの木を植える。」 
Keep looking to Jesus!

「わたしは山にむかって目をあげる。
 わが助けは、どこから来るであろうか。
 わが助けは、天と地を造られた主から来る。」

                 (詩篇121篇1・2篇)
主を見上げて祈りつつ前に向かって進もう。